兵庫県がん診療連携協議会
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第13回兵庫県がん診療連携協議会 議事録  平成30年4月26日(木)開催

第13回がん診療連携協議会(以下、協議会)が平成30年4月26日に兵庫県私学会館で開催された。兵庫県内のがん診療連携拠点病院15病院の代表者と関係9団体の代表者が参加した。

(1)H29年度第12回協議会議事録ならびに、 第2回幹事会の確認

協議会のHPに掲載。29年度は4月20日に第12回協議会を、また幹事会を2回開催した。(6月15日、2月22日)。県内の各がん拠点病院のPDCAサイクル実施計画・管理表の説明があった。

(2)兵庫県のがん対策について (資料2/PDF: 1,395KB

①兵庫県内のがん診療連携拠点病院等の指定状況
国指定(14)・県指定(9)・準じる病院(23)合計46病院と小児がん拠点病院として県立こども病院が国指定を受けている。また、2次医療圏域が10から8に圏域統合され、阪神南と阪神北が阪神圏域に、中播磨と西播磨が播磨姫路圏域に名称が変更されている。

②「兵庫県がん対策推進計画」の取組状況について
平成30年3月31日までの第4次兵庫県対がん戦略推進方策では、全体目標でがんによる年齢調整死亡率の減少や、がんに罹患しても元気で安心して生活できる社会の構築をかかげている。国では平成19年から10年間で年齢調整死亡率を20%減少する数字目標を掲げており、達成状況は、国は17.6%、兵庫県は22.5%であった。また、目標数値にかかげている個別目標では、28項目で評価しており達成が10個、改善が14個、増悪の例が4個あった。
全体の14%が改善できなかったということを踏まえて、これからの計画に反映させている所である。

③第3期がん対策推進基本計画(概要)
国計画について全体目標と分野別施策が説明され、がんの検診受診率が低くがん予防の生活習慣の改善、早期発見に更なる力を入れることが上げられた。新しくはがんのゲノム医療の問題で、県内では5つの病院が拠点病院と連携して展開する体制を整えていく、また AYA 世代の特有の問題について施策を考えていく事が述べられた。

④兵庫県がん対策推進基本計画の改定の概要
がん対策基本法の法律に基づき作成され、整合性を保つためこの計画から 6 年計画になった。これまでの問題点等を踏まえ、8つ改定の視点を考慮した上で新しくがん患者を支える社会の構築が柱の一つに追記されている。

⑤既指定のがん診療連携拠点病院の指定期限について
すべての現指定を受けているがん指定病院は31年3月末で終了となり、31年4月より新しい新指針にもとづいた再指定を行う。国や県の拠点病院では、各病院の状況等の把握、また連携の拠点病院ということで、地域での役割を考えて頂き改正に向けて準備をお願いしたい。

⑥平成30年度がん対策予算について
29年度に比べ30年度は、2億円位の減額となる。インターフェロン等医療費の助成が、C型肝炎が完全に治る時代となり実数が減ったのでこの部分が大きく減額となった。

⑦幹事会運営要領の改正について
別表2の改正より、拠点病院に準じる病院より神戸百年記念病院が辞退され、甲南病院加わった。
別表3の改正より、地域連携部会の担当業務に地域医療連携の推進が追記された。

(3)協議会・幹事会並びに各部会の平成29年度活動報告及び平成30年度活動計画について
 (資料3/PDF: 4,873KB

①「協議会・幹事会」関連
29年度は、4月20日に協議会(第12回)を、6月と2月に幹事会を、11月には兵庫県がん診療連携協議会主催の第7回兵庫県がんフォーラムを開催した。テーマは「ここまで進んだがん治療」(神戸大学附属病院、神戸市立医療センター中央市民病院、神戸市立西神戸医療センター、県立こども病院が担当)。30年度は、4月26日協議会(第13回)を開催し、6月、2月に幹事会予定。
11月に第8回ひょうご県民がんフォーラム開催予定。テーマは「がんと共に生きる」(姫路赤十字病院、姫路医療センター、赤穂市民病院、公立豊岡病院)

②「研修・教育」部会関連
29年度のがん看護実務研修は5月30日~9月8日までの34日間、県立がんセンターにて開催、9月には、第3回兵庫県がん化学療法チーム医療研修会、11月には第7回兵庫県民がんフォーラムを開催した。各種セミナーの開催では、研修・教育部会セミナー、放射線セミナー、検査セミナー、薬剤師セミナーを行った。30年度も、がん看護実務研修、各種セミナーの開催、第8回兵庫県がんフォーラムを行う予定。

③「情報・連携」部会関連
29年度のPDCDサイクルから課題を5つ上げ、うち3つが達成。就労支援を行う体制づくり、情報・連携部会の組織を強化し、迅速に意思決定し事業を行える体制を整えるが、部分達成又は未達成となっている。就労支援は、これからのがん対策で大きな課題であるが、具体的な方策を作ることが大きな課題となっている。情報・連携部会では、実際に相談支援にあたっている方で部会を兼ねて実務者ミーティングを年4回行う。再度、実務者を部会員にしていただくようお願いしたい。30年度の計画は全部で6つあり、特にがん患者就労支援を行う体制をつくる為に産業保健センターとハローワークの協動をはかる、ピアサポーターの養成、平成 31 年地域相談支援フォーラムin近畿を行う予定。

④「がん登録」部会関連
29年度は、院内がん登録実務者ミーティングを年3回開催した。都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会に参加した。また、8月に全国がん登録実務者研修会を開催した。 30年度では、院内がん登録実務者ミーティングを年2回予定、6月にがん診療連携協議会がん登録部会を行う予定、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会に参加予定。課題としては、がん診療の情報収集・分析体制の促進、実務者の技量のアップがあげられた。

⑤「緩和ケア」部会関連
29年度は、第5回都道府県がん診療連携連絡協議会の緩和ケア部会に参加、緩和ケア研修会の開催、緩和ケア研修会指導者の会と患者会の合同検討会、緩和ケアチーム研修会、緩和フォローアップ研修会の開催をした。30年度は、都道府県がん診療連携連絡協議会の緩和ケア部会に参加予定、緩和ケア研修会、緩和ケア研修会指導者の会と患者会の合同検討会、緩和ケアチーム研修会、緩和フォローアップ研修会の開催予定、緩和ケア研修会がe-learningを含む1日の集合研修に変更になった事があげられた。

⑥「地域連携」部会関連
29年度は、以前から議論されていた肺がんのイレッサタルセバに関しては、肺がんの化学療法の進歩が著しいので作成しない方針、大腸癌ESDパスの運用に関しては、作成したESDパスに対する連携ノートを作成中、パスの電子化については作成しない方針となった。30年度は、がんパスの使用状況に関して浸透状況に関して確認したい。また、各部会で地域連携の機能に関して検討中かと思うが、部会を越えるものやその他の問題点を抽出し医師会や患者会とも連携して前に進めていきたい。

(4)がん生殖医療について(資料4/PDF: 599KB

兵庫県下で兵庫医大と英ウィメンズクリニックと徐クリニックの3施設で、2017.1~12月までの妊孕性のカウンセリングを行い、実施数は37名。うち、妊孕性希望者は28名で、内訳は乳がん15名、白血病5名、その他が8名だった。また、30年2月に兵庫県がん・生殖医療ネットワーク第3回講演会が行われ、今後の課題として地域性、費用、男性がん患者に対する妊孕性温存があげられた。

(5)がん患者医科歯科連携協定

29年度は、がん患者歯科連携事業の強化に向け、連絡協議会を開催し情報交換を行った。がん患者医科歯科連携協力歯科医療機関情報(マップ図)を年内更新に向け作業中である。8月に「周術期口腔機能管理」に関する実態調査アンケートを行った。問題として、情報提供が行われた際の返書の割合が低く、県医師会から返書を出すように周知していく事があげられた。また、日本で口腔がんが増加し死亡率が高いという事で、神戸歯科医師会が取り組んでいる神戸市口腔がん検診実施要網、実 施状況の説明が行われた。30年度は4月より、周術期等の口腔機能管理の推進より診療報酬の改定の概要が報告された。

(6)小児がんについて(資料5/PDF: 155KB

29年度では、生殖医療ネットワーク事業への積極的な参加、AYA世代がん患者の妊孕性温存処置の実施。小児用の緩和医療CLICの講習会100%受講促進。小児がんの治療後の人生についての「小児がん等サポート検討会」が行われた。30年度では、兵庫県がん・生殖医療ネットワーク連携によるAYA世代のがん患者の妊孕性温存処置の拡大・促進する。神戸陽子線センターとの連携では、6名の卵巣凍結を兵庫医大で行っている。12月1日に神戸陽子線センターが開設し、現在子供だけで5例目を照射中となり、鎮静のいる方は若干の待ち時間が発生している。発症が20歳迄の方で保険が通る方や、特にAYA世代の力を入れており、こども病院を通して陽子線センターと連携しているので、問合せや紹介をお願いしたい。

(7)その他

小児がんについて、成人になっても小児科に通い続け、小児がん専門医を圧迫しているという現状がある。成人を診る医師が引き受けフォローアップをしていく、特に医療介入が必要ない場合は医師会と協力して、地域の先生方とネットワークを作り、かかりつけの先生に引継していく。そして、何か気になることがあれば中核病院に紹介し交通整備をしていく。また、兵庫県全圏となると各地区で交通整備を行う事になるので、医師会やこども病院と相談し中核病院に協力をお願いする事になる。

<質疑応答>
質問1:喫煙率の話ですが、全国平均と比べて目標の数値を低く設置しており喫煙に寛容ではないかという印象を受けるが、全国平均と比べて数値設定はしないのか。また、学校教育で教員が敷地外で通学の生徒の目の前で喫煙するという問題があるので、県として関係箇所に働きかけをしていただきたい。
回答1:兵庫県では、全計画で目標が達成できなかったということで、個別目標では喫煙率は男女合わせて全国平均の目標に近づける数値設定をしている。
質問2:緩和ケア研修の流れが変わり1日になるという事だが、これから各病院で色々と準備をしようとしているが、なにか情報があればメールなどで共有していただきたい。また、e-learningをしている先生から、かなり時間がかかるという報告を受けているので、早めにしていたほうがいいのではないか、それについてはどうか。
回答2:e‐learningは早めに受けておいた方がいいと思われる。e‐learningは、DVDでただ流れて終わるものではなく、自分でクリックして進んでいく、要は厚生労働省の指導の下で集合研修より質を落とすなと言われているので診療の片手間に出来るようなものではなく、相当な時間がかかるが受講して頂きたい。
質問3:がん教育のことだが、市役所の方から中学校又は高校で講演会を無償でしてほしいので、企画書を出してほしいと言ってこられているのだが、モデル校のノウハウ等の情報をどちらからいただけるのか。
回答3:県の教育委員会の方で、3つの事業を体育保健課がしており、文部科学省で医療人がやるような共催や、色んな教育材料があるので、県の教育委員会に疾病対策課を通して頂いたらおつなぎします。また、神戸市でも行っているので、もし宜しければお問い合わせいただきたい。

協議会よりお願い:

・すべての事務連絡はメールで行うこととしている。

・メール連絡への返信は着信確認を含めて必ず行うようにお願いしたい。

・連絡事項の内容は院内周知し情報の共有を行っていただきたい。

以上

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