兵庫県がん診療連携協議会
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第2回幹事会 議事録  令和2年2月20日(木)開催

第2回幹事会(以下、幹事会)が令和2年2月20日に兵庫県学校厚生会館で開催された。兵庫県内のがん診療連携拠点病院等48病院の代表者と関係団体4団体の代表者が参加した。

(1)2019年度第1回幹事会議事録の確認

(2)がん対策について (資料2/PDF: 1MB

①兵庫県内のがん診療連携拠点病院等の指定状況
 令和2年2月1日現在の兵庫県内の指定状況は、昨年6月の第1回幹事会で示したものと変更なし。国指定病院15病院、県指定病院9病院などとなっている。

②令和2年度がん対策予算(案)の概要
 令和2年度成のがん対策予算案の概要として国の資料を添付している。その中でがん医療の充実として「がん診療連携拠点病院機能強化事業」として30.3億円。昨年度29.8億円から若干増えているので、例年通り交付できると見込んでいる。「小児がん拠点病院機能強化事業」は昨年度と同じ3.2億円。

③若年がん患者妊孕性温存治療費助成事業(案)
 これは兵庫県の新しい事業で、2月の県議会に予算200万円を計上している。若い人のがん治療を助成するため、妊孕性温存治療が医療技術の進歩とともに海外で対応され、今年度は12の他府県で推進されている。本県では、来年度から43歳未満を対象に、女性で最高30万円、男性で20万円を上限に補助メニューを実施する予定なので、ご理解、ご協力をお願いしたい。

④会則及び幹事会運営要領の改正について
 会則の改正は、昨年、丹波圏域において「県立柏原病院」が「県立丹波医療センター」に名称変更されたことによって、また、幹事会運営要領の改正は、神戸圏域において「甲南病院」が「甲南医療センター」に名称変更されたことによって改正を行うものです。

(3)協議会・幹事会並びに各部会の2019年度活動報告及び2020年度活動計画について
 (資料3/PDF: 5.1MB

①「協議会・幹事会」関連
 昨年4月11日に第14回がん診療連携協議会を開催した。6月と2月に第1回、第2回の幹事会を開催した。11月16日には、がん診療連携協議会主催の第9回「ひょうご県民がんフォーラム」、テーマを「動きがした がんゲノム医療」をテーマに、県立がんセンター、市立西脇病院、県立淡路医療センターが担当で開催した。
 来年度は、4月9日に第15回がん診療連携協議会の開催を予定している。そして6月4日に第1回、来年2月の第2回の幹事会は日程が未定ですが開催を予定している。協議会主催の第10回「ひょうご県民がんフォーラム」は、10月24日に、テーマは未定ですが、関西労災病院が担当と聞いている。

②「研修・教育」部会関連
  今年度は、がん看護実務研修、第5回兵庫県がん化学療法チーム医療研修会を記載しております日程で開催しました。セミナーは、研修・教育部会セミナーは「がんゲノム医療の実際」、検査セミナーは「遺伝子で分類するがん」、薬剤師セミナーは「がんゲノム医療」、放射線セミナーは、来週ですが「食道がんの診断と治療-update-」で行います。いずれも盛会でした。県民がんフォーラムですが、「動き出したがんゲノム医療」と題して開催し、208名の参加があり、これも盛会でした。
 来年度の活動計画ですが、がん看護コアナース育成セミナーが7月8日から8月21日の15日間で行われます。がん化学療法チーム医療研修会も日程、テーマは未定ですが、行われます。4部門についてセミナーを開催しますが、日程が決まっているもの、いないものもあります。県民がんフォーラムは、10月24日に関西労災病院が担当して開催します。テーマは決まっていませんが、決まり次第、周知します。

③「情報・連携」部会関連
 今年度の活動報告は、部会を兼ねた実務者ミーティングを年4回開催している。6月には就労関連亜、9月には認定がん専門相談員認定研修であるゲノム医療の相談対応、12月はピアサポート養成研修修了者との交流会、次回は3月に予定しているが、新型コロナウイルスの影響でどうなるかわからない。
 また、事務局会議に遠隔地から交通費や時間をかけているので、Web会議の導入も考えている。事務局会議は年3回開催した。
 今年は例年と違い10月6日に神戸市立医療センター中央市民病院の講堂を借りて、近畿地方のがん相談の担当者が集まって「地域相談支援フォーラム」を開催した。
 来年度の活動計画は、部会にあたる実務者ミーティングを年4回開催し、相談支援の質を高めることをしたい。

④「がん登録」部会関連
 今年度の活動報告については、がん登録部会を6月28日に学校厚生会館において開催した。議事はがん登録実務者認定の変更及び全国がん登録の情報還元に関する申請方法です。院内がん登録実務者ミーティングは、第1回を9月11日に神戸市立医療センター中央市民病院で「2019年からの変更点、多重癌ルールについて」国立がん研究センターの江森先生を招聘して研修を行った。第2回は、2月14日に県立がんセンターで「2017年登録数と治療別集計と院内がん登録の統計活用事例」として開催し、公表案として次ページに添付している。都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会は、4月24日に国立がん研究センターで開催され参加した。全国がん登録実務者研修会は、8月30日神戸大学医学部シスメックスホールで国立がん研究センターの柴田先生を招いて開催した。
 来年度の活動計画は、がん登録部会を6月に、院内がん登録実務者ミーティングを9月と2月に予定している。都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会は、4月22日に参加を予定している。全国がん登録に関する研修会は、兵庫県健康財団の協力を得て開催を予定している。

⑤「緩和ケア」部会関連
 今年度の活動報告は、12月に都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会緩和ケア部会に参加した。内容は緩和ケアの質の向上とACPについてということで、緩和ケアの質の向上については各府県の取組が紹介され、滋賀県は緩和ケアチーム研修、和歌山県では病院間の相互評価など紹介があった。後半はアドバンスケアプランニング(ACP)についての取組などが紹介された。緩和ケア部会コアメンバー会議は、記載のメンバーで緩和ケア研修会の年間計画を考えている。緩和ケア研修会の開催状況については、昨年12月末時点の資料を添付している。開催回数は23回、受講者数5,973名で、先週までは28回開催しているので、受講者は6,000人を超えている。他に地域別、市町別受講者数の資料を添付している。緩和ケア研修指導者の会では、研修の対象が「医師等」に変更され、統計の取り方を検討する必要があるとの意見があった。緩和ケアチーム研修会は「全人的緩和ケアを目指して」をテーマに姫路で開催し、PDCAグループワークでは施設間の総合評価を行った。緩和ケアフォローアップ研修会は2月29日に開催を予定して、重要な研修と考えているが、新型コロナウイルスの影響で中止することにした。
 来年度の活動計画は、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会緩和ケア部会に参加する。緩和ケア研修会の企画運営はコアメンバーで検討するが、研修会の年間開催予定は、例年協議会のホームページに4月に掲載するので、既に開催を決定している病院は3月中旬までに協議会事務局まで連絡してほしい。緩和ケアチーム研修会は、来年度は関西労災病院に担当してもらうが、いつも利用していた私学会館は建替のため閉鎖されるので、会場を探している。緩和ケアフォローアップ研修会は、今年度は中止したが、内容は治療医のコミュニケーションが非常に良くなるよく出来た研修で、是非参加していただきたい。

⑥「地域連携」部会関連
 昨年度は、がんパスの使用状況について検討した。大腸癌のESDパスは実際運用されていると思うが、困ったという話は聞いていないので、引き続き状況をみていきたい。がん地域連携の問題点ということで、昨年、がんパスの5年後はどうしているかの問題提起があったので、アンケートを実施した。がん種によって、また拠点病院であるかどうかによっても違うが、概ね5年目で患者への説明、かかりつけ医への情報提供が終了していることが多かった。肝臓がんの背景にある肝疾患に問題があって経過をみているとか、子宮がんについて経過をみてみるとか、これに対して詳細を検討する必要があるかもしれないが、何よりがん難民を作らないことが、パスを作った時の精神だったと思うので、そこがうまくいっているか検証してみたい。せっかく地域連携パスを作っても検証ができていない。基本的には、このパス自体が指示パスになっていて、最近のクリニカルパスはアウトバウンドするようになっていると思うが、長年使っていて、バリアンスの分析・評価をすべきかと思う。各病院のデータをどこまで抽出できるかわからないので、とりあえず、胃がんの60数名程度だが、丹波医療センターのデータを見直した。(丹波医療センターにおけるパス症例データの見直しについて紹介があった。)
 来年度の活動計画については、パス導入状況の検討や大腸がんESDパスを含めた既存のパスの運用上の見直しを上げている。また、がん地域連携に関する問題点を抽出するとしているが、がんのゲノム医療に関して、すべての病院に情報がうまく伝わっていないように思うが、これは我々がやるのか、南先生を中心に情報発信してもらうのか良いか考えなければならない。

(4)がん生殖医療について (資料4/PDF: 244KB

 兵庫県がん・生殖医療ネットワークということで、2019年1月から12月でカウンセリングを受けた人が39名、妊孕性温存を実際にされたのが30名、原疾患は乳がんが16名で最多、その次が白血病の6名、その他8名。兵庫県で実際に実施しているのは、英ウイメンズクリニック、兵庫医科大学、徐レディースクリニックの3施設で、実施に件数があったのは英ウイメンズCと兵庫医科大学。年度別推移でみると、年おおよそ40件前後である。
 がん患者妊孕成温存治療女性事業は、疾病対策課から説明があったが、全国的には実施診療を行っているところが多い医が、滋賀県や京都府などは助成事業を行っており、兵庫県も来年度から経済的支援を実施する。

(5)がん患者医科歯科連携協定について (資料5/PDF: 148KB

 歯科・口腔外科未設置病院へ、当該病院の近隣郡市区歯科医師会を通じて、連携による患者のメリットなどを説明し、医科歯科連携が推進するよう取組を企画・推進している。全国共通がん医科歯科連携DVD講習会は、国立がん研究センターが作成した「全国共通がん医科歯科連携講習会テキスト」を基に年1回行っている。今年度も8月に県歯科医師会館で開催した。がん患者医科歯科連携への協力歯科医療機関情報の整備は、今年も更新してHPにアップしている。情報収集については、令和2年1月29日に開催された日本歯科医師会主催の都道府県歯科医師会地域保健・産業保健・介護保険担当理事連絡協議会に役員を派遣した。

(6)小児がんの進捗状況について(資料6/PDF: 4.3MB

 昨年度の活動報告は、研修教育では、看護研修会を4回実施し、いずれも盛会であった。1月8日には国立がん研究センターで開催された「小児がんのための薬剤開発を考える」に参加した。3月22日には、南先先生(神戸大学)のご尽力で「小児がん長期サバイバーの長期フォローアップに対する講演会・患者との座算会」を小児がんのサバイバーを招いた座談会が予定されているが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況で、サバイバーの出席は難しいかもしれないので、中止または延期になる可能性がある。情報連携としては、小児がんを扱っているので、生殖医療ネットワークとの連携が大事で、当院だけで7~8件の卵巣凍結保存を兵庫医大にお願いしている。
 緩和医療については、小児専門病院での緩和ケア診療加算が難しいが、6月から12月で少ないが23件実績があった。
 小児がん連携病院の指定では、昨年11月1日付けで近畿ブロック小児がん連携病院が指定された。指定は、小児がん拠点病院が指定することになっていて、カテゴリー1(地域の小児がん診療を行う連携病院)は、県内から神戸大学医学部附属病院、兵庫医科大学病院、県立尼崎総合医療センターを指定した。カテゴリー2(特定のがん種等についての診療を行う連携病院)では、神戸陽子線センターに陽子線治療、県立がんセンターにAYA世代の骨軟部腫瘍などの治療を行って頂くことで指定した。カテゴリー3(小児がん患者等の長期診療体制の強化のための連携病院)として、明石市立市民病院、加古川中央市民病院、神戸市立西神戸医療センター、姫路赤十字病院、北播磨総合医療センターを指名した。
 医療連携では、県立神戸陽子線センターとの連携実績で、昨年度は47例で日本一小児がんに陽子線治療を行っている病院ということになったが、今年度も60例以上で一番多い病院となる見込である。また、兵庫県では若年がん(40歳未満)の陽子線治療に、所得制限はあるが県が負担費用を減免することとなった。
 AYA世代(高校生)の教育支援として、昨年11月26日に文部科学省から通知があり、遠隔双方向授業が認められたので、これをサポートしていきたい。これからは病院側に教職員が立ち会わなくても授業として認められることになる。この遠隔双方向授業は、入院している生徒が要望すれば対応しなければいけない時代に入ってきている。遠隔授業の予算については、教育委員会にサポートしてもらえるかもしれない。また、今まで厚生労働省が実施していた「小児・AYA世代のがんの長期フォローアップに関する研修会」を当院で実施することになったので、何らかのご協力を頂くことになると思うので、宜しくお願いしたい。
 最後に、県立こども病院は、がんゲノム医療連携施設に指定されたので報告する。

(7)第2回リムパーザのコンパニオン診断(BRCA1/2遺伝子検査)に関する会議報告(資料7/PDF: 4.2KB

 今から1年半前にオラパリブ(リムパーザ)使用に関して遺伝性腫瘍の遺伝子診断に繋がるため、連携をとる必要があって、協議会にWGを設置してもらった。この薬が承認されたのは2年ほど前になるが、遺伝性腫瘍の遺伝子診断は本人だけでなく家族にも影響をあたえるため、遺伝カウンセラーが重要という状況でありながら対策が取られなかった。県内には、遺伝カウンセリングができる病院と、がんの診察をしているが遺伝カウンセリングができない病院との連携体制を組むことで、協議会で活動を始めた。昨年第1回の打合せを行い、先月第2回の打合せが行われた。県立がんセンター腫瘍内科の松本先生、神戸大学医学部附属病院血液内科の豊田先生、兵庫医科大学の今村先生が中心に動いている。がん治療をする各病院と、遺伝カウンセリングができる病院とあらかじめ覚書を結んで、お互い承知のうえで診療に入りましょうというのがポイントです。(※会議当日資料に基づいて説明)
 実際の説明文章が添付されているが、兵庫県がん診療連携協議会のホームページからダウンロードできるようになっている。細かい文言など臨機応変に対応して貰えると思うので、協議会事務局に連絡してほしい。

(8)その他(資料7/PDF: 1.2MB

・がん教育の推進について
 がん教育については、「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」に、がん教育の推進に努めるという努力義務の規定がある。このたび、がん教育を所管する県教育委員会から外部講師のリスト化に協力頂きたいとの依頼があった。県としては、法律や条令等にがん教育の推進を謳っていることから、外部講師のリスト化に協力することとし、後日、疾病対策課から外部講師候補者の選定に関する照会をする予定でいるので、ご協力をお願いしたい。(疾病対策課)
 小・中・高等学校の外部講師による講演内容について、県医師会で作成した基本的なものを添付している。これを使って講演されるのであれば、サンプルとして提供できる状況になっている。(県医師会)

<質疑応答>
質問:ハンドアウトとして添付されているものは、県医師会から提供されるものか。
回答:3月に医師会の学校保健委員会を経て最終的に決まっていくことになると思うが、確定されれば各郡市医師会、がん診療連携拠点病院にはCDなどの電子媒体で渡すことができる。読み原稿はかりつけ医用に作成する予定にしているが、それに各先生方の専門分野の内容を加えてもらえれば良い。

・都道府県がん診療連携拠点病院PDCAサイクルフォーラムについて(報告)
 令和2年2月8日に国立がんセンターで開催された都道府県がん診療連携拠点病院PDCAサイクルフォーラムに参加した。内容は後日同センターのホームページで公開されると思うが、他府県の事例として、神奈川県、山口県、千葉県、愛知県等から情報提供があった。特に千葉県は、がん診療連携協議会にPDCAサイクル専門部会を設置し、その部会が他の部会に対して県単位のPDCAサイクルを回すことを求めて実施状況を把握している。愛知県も同様にPDCA部会を設置し、PDCAのPlanに8割位のエネルギーをかけて対応しているという事例報告があった。

以上

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