兵庫県がん診療連携協議会
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令和3年度 第2回兵庫県がん診療連携協議会幹事会 議事録  令和4年2月17日(木)Web開催

第2回幹事会が令和4年2月17日(木)にWebにより開催され、兵庫県内の地域がん診療連携拠点病院等44病院及び関係病院等2施設・3団体の代表者が参加した。
※幹事、事務担当者等、代理を含め95名が出席(欠席施設・3施設1団体)

(1)前回幹事会議事録の確認

 昨年6月10日開催の第1回幹事会議事録は、本協議会のホームページに掲載されているので、内容の確認をしていただきたい。

(2)がん対策について (資料2/PDF: 1,100KB

①兵庫県内のがん診療連携拠点病院等の指定状況等
 国指定拠点病院に変更はない。県指定拠点病院については、令和3年10月1日付けで阪神南圏域の明和病院が「拠点病院に準ずる病院」から「県指定拠点病院」に指定変更があった。

②令和4年度がん対策予算案の概要について
 厚生労働省が発表している令和4年度のがん対策予算案は354億円、令和3年度の予算額が365億円であったので、11億円の減額となっている。その中で「がん診療連携拠点病院機能強化事業」については、4年度は50億6千万円、3年度は51億1千万円であったので、5千万円の減額となっている。
 来年度の県の予算は、昨日記者発表となっているが、県の財政状況が引き続き改善しないことに加え、今年度に行財政運営方針の見直しを行ったことから厳しいものとなる。予算の詳細は、議会可決後、来年度の4月に開催される協議会で説明したい。

〇意見・質問

 令和4年度がん対策予算について

 ・令和4年度のがん対策予算が、高齢化が進んでいるのに全体で15億円も減額されている。減額された理由が何かあるのか。

 (回答)

 ・厚生労働省からの情報はない。詳細についても把握していない。

(3)幹事会運営要領の改正について
  (資料3/PDF: 150KB

 今回の改正は、令和3年10月1日をもって明和病院が「携拠点病院に準ずる病院」から「県指定の拠点病院」として県から指定を受けたことに伴う改正である。第3条第1項第6号の別表1の阪神圏域に明和病院を加え、第3条第1項第7号の別表2から明和病院を削除するもので、附則には本日の第2回幹事会開催日の令和4年2月17日から施行としている。

(4)協議会・幹事会並びに各部会の令和3年度活動報告及び令和4年度活動計画について
資料4/PDF: 4,000KB

①「協議会・幹事会」関連
 令和3年度は、4月15日に第16回協議会、6月10日に第1回幹事会、2月17日に第2回幹事会をいずれもWebで開催した。第11回ひょうご県民がんフォーラムは、「小児とAYA世代について」をテーマに会場とWebのハイブリット方式で、兵庫県立こども病院の担当で10月23日に開催した。
 令和4年度の活動計画は、第17回協議会は4月7日にWebで開催予定。第1回幹事会は6月16日、第2回幹事会は令和5年2月に開催を予定。開催方法はいずれも未定で、コロナの感染状況をみて決める。第12回ひょうご県民フォーラムは、11月26日に姫路医療センターが担当で「けんみんホール」で開催を予定。テーマ、開催方法はいずれも未定。

②「研修・教育」部会関連
 令和3年度は、「がん看護コアナース育成セミナー」の期間を縮小して、8月20日、8月27日、9月3日にWebで開催、参加者は21名。「研修・教育部会セミナー」は、10月9日、神戸大学の南教授の企画でWeb開催。テーマは「がんゲノム医療の新展開」、参加者107名。 「放射線セミナー」は、10月30日、ハイブリット方式で開催。テーマは「肺がんの診断と治療-update-」、参加者223名。「検査セミナー」は、12月4日、ハイブリット方式で開催。テーマは「多発性骨髄腫~見えない腫瘍を求めて~」、参加者149名。「薬剤セミナー」は、1月14日~1月31日までオンデマンド配信。テーマは「多発性骨髄腫」、視聴者136名。 「兵庫県がん化学療法チーム医療研修会」はWeb開催。テーマは「がんゲノム医療」、10チーム40名参加。第11回ひょうご県民がんフォーラムは、10月23日、ハイブリット方式で開催。担当病院は兵庫県立こども病院で、テーマは「小児とAYA世代のがんについて」、参加者146名。
 令和4年度は「がん看護コアナース育成セミナー」はWeb開催。テーマ、日程は未定。「兵庫県がん化学療法チーム医療研修」は日程、テーマ、開催方法等未定。「研修・教育部会セミナー」は10月8日開催。企画は県立西宮病院の福永先生にお願いしている。テーマ、開催方法は未定。「検査セミナー」は11月5日開催。テーマ、開催方法は未定。 「放射線セミナー」は10月15日開催。テーマは「膵臓がんの診断と治療-update-」、開催方法は未定。「薬剤師セミナー」は、日程、テーマ、開催方法は未定。「第12回ひょうご県民がんフォーラム」は11月26日に開催。テーマ、開催方法は未定。姫路医療センターが担当する。

③「情報・連携」部会関係
 令和3年度は、情報・連携部会を年4回、全てWebで開催。事務局会議もすべてWebで開催しているが、今年度から体制を変えている。今まではコアメンバーで限られた施設の人が活動していたが、組織化してみんなで運営することを主眼において活動した。 これらは「相談の質を高める」「就労支援」「ピアサポーター」の大きな3つの柱を立てて活動した。その他に兵庫県のピアサポーター養成の支援を実施している。
 令和4年度は、3年度と同様に事務局会議と情報・連携部会を定期的に開催して活動していきたいと考えているが、大きな変更点として、事務局会議を年6回から毎月開催にして活動の質を高める努力をする。部会については、がん対策推進基本計画の第4期で、国の政策が就労とピアサポートに重点を置くと想定されるので、就労とピアサポートに特に力を入れて部会の質を高めたい。

④「がん登録」部会関連
 令和3年度は、Webの活用によって部会・実務者ミーティングなどが計画どおり開催できた。具体的には6月28日「がん登録部会」、11月19日「第1回 院内がん登録実務者ミーティング」、2月9日「第2回 院内がん登録実務者ミーティング」及び「院内がん登録事務局会議」、その他5月31日「都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会 がん登録部会」への参加、12月20日~1月20日「全国がん登録実務者研修会」を動画配信で開催した。
 令和4年度については、令和3年度と同様に開催、参加を予定している。

⑤「緩和ケア」部会関連
 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会 緩和ケア部会にWebで参加した。会議の主な内容は地域における緩和ケア提供体制が不十分であること、コロナ禍における緩和ケア研修会がWebで出来るようになったということであった。県内の緩和ケア研修会の開催状況は、令和2年度にかなり減少し、3年度は少し回復しているが、自院の受講者が殆どで他院からの受入れが少ない。 これを受けて厚生労働省からの事務連絡でロールプレイングを含めて完全Webで研修会を開催してもよいこととなった。また、緩和ケア部会・地域連携部会合同セミナーは、Webによる退院前カンファレンスの必要性があったので、6月24日にWebで開催し、66名の参加があった。緩和ケアチーム研修会は、市立伊丹病院が担当し、「チーム医療を推進するメディカルコーチング」をテーマに1月22日にWeb開催し、87名の参加があった。緩和ケアフォローアップ研修会は2月27日にWebで開催予定。 講師は神戸大学の木澤先生で、テーマは重篤な疾患を持つ患者さんとの話し合いの手引きということで、治療医と患者さんとのコミュニケーションが良くなる。まだ19名の空きがあるので是非申込していただきたい。緩和ケア部会の企画立案するコアメンバー会議は、1月4日に開催したが、3月にもう1回開催する予定。
 令和4年度の緩和ケアチーム研修会の日程は未定であるが、西神戸医療センターが担当して開催する。県内各施設の緩和ケア研修会の予定表は、4月にホームページに掲載を予定している。コアメンバー会議は、構成メンバーを募集したうえで開催する予定である。

〇意見・質問

 緩和ケア研修会のWeb開催について

 ・施設によっては緩和ケア研修会のWeb開催がうまくいっていないと聞く。開催のノウハウに関して、各拠点病院に情報提供されているか。

 (回答)

 ・緩和ケア研修会の指導者の会参加者には各施設の開催報告が掲載されているURLを伝えている。報告書はWeb上にあるので、そこで質問して頂ければ担当者が回答することになっている。また実際に開催した施設の責任者が明らかにされているので、個別に聞いて頂く方法もある。

⑥「地域連携」部会関連
 令和3年度は、前年のがんパスの使用状況に関してアンケートを実施し、乳がんをはじめ5大がんについて多くの使用があったことを確認しており、クリニカルパス学会でも兵庫県は地域連携パスの使用率が高い地域とされている。その他に乳がんパスの見直しとがん地域連携に関してWebによる退院前カンファレンスについて、緩和ケア部会と合同セミナーを行った。
 なお、乳がんパスの見直しについては、現状では5年後フォローとなっているが、10年までの結果を診た方が良いとの意見から、半年毎に「かかりつけ医」と「拠点病院」の双方が10年後まで経過を診ていくパスで、乳がんパスのグループにおいて承認されているので、協議会においても承認いただきたいとの報告に対し、異議はなく承認された。地域連携パスの使用状況については、兵庫県立丹波医療センターで作成された胃がんの症例を学会発表資料に基づいて説明があった。
 令和4年度においては、例年行っている各施設でのがんパス導入・使用状況のアンケート調査を実施し、Wグループ毎に地域連携パスの運用上の問題点を抽出する。また、がん地域連携のためのWeb活用に問題点があると思われるので対応を検討する。連携パスの件数は増えているが、拠点病院で登録数が少なくなっているところがある。パスの見直しについては、各グループで検討するためにアンケートをお願いする場合もあるので、その時は協力をお願いしたい。

〇意見・質問

 胃がんの地域連携パスについて

 ・胃がんの連携パスで、ガイドラインが変更になって整合性がなくなっている部分があると聞いていたが、その後どうなったか。

 (回答)

 ・昨年度、大腸がんでも指摘があって、富永議長に相談したが、コロナ禍もあって各病院で適時修正をしてもらうことになったが、年々取扱規約、ガイドラインが更新されていくとズレも大きくなり、どこかの段階で各グループ内での再検討が必要と考えている。

(5)がん生殖医療について
資料5/PDF: 1,300KB

  「兵庫県がん・生殖医療ネットワーク」の運営状況は、昨年10月から男性も対象となったことから添付の表は女性と男性の患者背景を示している。カウンセリング実施数は、女性35件、男性34件。女性は乳がん、白血病、婦人科疾患が多く、男性は精巣腫瘍、白血病・リンパ腫が多い。「徐レディースクリニック」がネットワークの施設から外れ、今は「英ウィメンズクリニック」と「兵庫医科大学」が妊孕性温存を実施している。 令和2年4月から兵庫県若年がん患者妊孕性温存治療費助成事業が始まり、西宮市とその他市町以外で対象外の市町もあったが、令和3年4月から全国展開となった。事業として「兵庫小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」」ということで、厚生労働省から通知があった。兵庫県のホームページに対象となる治療と1回あたりの助成上限額が示され、申請関係書類をダウンロードするようになっている。また、助成回数は2回までとなっている。
 妊孕性温存実施施設に参加できる施設は、日本産科婦人科学会が4つの要件を示していて、兵庫県では兵庫医科大学と英ウィメンズクリニックが参加施設となっている。また、日本がん・生殖医療登録システムの参加が必要で、患者さんも参加してもらう新しいシステムはセキュリティーがより高くなっていて、助成を受けるにはアプリの登録も必要となっている。

〇意見・質問

 助成金の対象地域について

 ・兵庫県は事業補助をしているが、市町村によっては受けられないのか。

 (回答)

 ・全国で助成は受けられるが、承認された妊孕性保存施設でないと受けられない。兵庫県では、兵庫医科大学と英ウィメンズクリニックの2施設のみである。ネットワークの施設から外れた徐レディースクリニックは、日本産科婦人科学会の4つの要件を満たすことが難しかった。

(6)がん患者医科歯科連携協定について  (資料6/PDF: 153KB

  事業の報告内容は、例年とほぼ変わっていないが、令和3年度は今までの協力歯科医師リストの見直し作業に入っているので、令和4年度のはじめには、各拠点病院等に新しいリストを渡すことができる。口腔がん検診は年間約500名が受診し、神戸市内では20名位のがんの疑い患者を神戸市立医療センター中央市民病院や神戸大学医学部附属病院などへ受診指示をしている。
 令和2年度の手術前後の口腔管理の実績では、神戸市内では神戸大学病院1,400例、神戸中央市民病院でコロナの影響で70例、西神戸医療センターで500例くらいと手術が行われている病院では予定通り例年の件数をこなしている。
 令和4年度においては、口腔がんの歯科医師研修を行う予定にしている。今後、がんの疑い患者が出たら各拠点病院等の診療科を受診することになるので、宜しくお願いしたい。

(7)小児がんの進捗状況について (資料7/PDF: 2,500KB

  令和3年度は、研修会・講習会がコロナの影響によりWeb開催または中止となった。その中で、看護研修会は予定どおりWebで3回開催した。小児・AYA世代のがんの長期フォローアップに関する研修会(LCAS)、小児がん拠点病院連絡会議、近畿ブロック連携協議会、中四国ブロック連携協議会等へWeb参加、小児がん診療病院とのTV会議に参加した。また、教育CLSの確保として専門看護師、薬剤師養成及び若手医師の交流・受入を行い、神戸大学、愛媛大学、近畿大学から医師研修医を受け入れた。兵庫県立神戸陽子線センターとの連携、兵庫県がん・生殖医療ネットワークとの連携、国際臨床試験への積極的参加、がんゲノム外来の開設、AYA世代の教育支援の促進、ひょうご県民がんフォーラムの企画開催などを行った。
 令和4年度は、前年度と同様の計画であるが、小児・AYA世代のがんの長期フォローアップに関する研修会(LCAS)を当番病院として8月に会場とWebによるハイブリッド方式で開催する。CAR-T療法(チサゲンレクルユーセル)の導入を8月頃から実施に向けて準備をする。

〇連絡事項・意見

 来年度の幹事会新体制について

 ・4月から部会員メンバーが入れ替わる場合は、事務局に連絡いただきたい。

 がん診療連携拠点病院の指定要件の改定について

 ・7月に指定要件が改定される予定である。どのように改定されたか秋以降に皆様にお知らせすることになる。

 粒子線治療の有効利用について

 ・4月の診療報酬改定にあわせて、粒子線治療の保険適用拡大が予定されている。詳細については内容を確認してから改めてご案内するが、粒子線治療の有効利用をお願いしたい。

 セミナー等の開催方法について

 ・研修会やセミナーがコロナの影響でオンラインで開催されているのが、収束しても出来ればハイブリッド方式やオンライン、オンデマンドでの開催を残してほしい。また、近年、働き方改革が言われている。セミナー等の土曜日開催ありきではなく、平日の16時又は17時以降の開催を検討してほしい。

 (回答)

 ・ひょうご県民がんフォームのアンケート結果にあったように、現地だけの開催だけでなく、Web開催(ハイブリッド開催を含め)は残した方が良い気がする。平日開催については、検討させていただきたい。

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